BARの心得

例年に比べてかなり気温低めな4月5月。近年の夏前後の暑さと冬春の寒さを思えば、今この過ごしやすい気候は年間でも貴重なボーナス期間だと思う。毎年ほとんどの時期を暑いだの寒いだの言ってしまうならばこそ、このチャンスに何か始めたりどこかへ行ったりと有意義に過ごしましょう👟


さて今回は、一度改めて記しておきたくなった『バーでの過ごし方』について。

もちろんお店次第・店主次第で様々なスタイルがある訳ですが、当店においては当然私の見解に沿って営業していきますし、この考え方を理解していればどこのバーでもまず間違いない一般的にも歓迎されるであろう基準と思っていただいて良いでしょう。


『バーでの過ごし方について』

1. 使用する席は移動も含めバーテンダーの案内に応じること。

3. 下品な言葉や会話は控えること。

2. 他のお席と合わせた声量で会話すること。

7. 関係性のないお客様の支払いを申し出ないこと。

4. グラスや食器を自分の席から移動させないこと。

8. 他のお客様の噂話に該当するような話題を控えること。

5. スタッフと他のお客様の会話に横入りしないこと。

6. きっかけもなく店主の紹介を経ないお客様に話しかけないこと。

9. 縁あって会話する流れになっても初回から素性の詮索は控えること。

10. カウンター席に座るならば自らを律する意識を持つこと。


堅苦しいことを言いたい訳ではなく、お客様それぞれが飲食を主とした自分の時間を過ごすための店がバーであり、接待されたり干渉し合うことが本来の目的ではないということです。

他の飲食店でしてはいけないことはバーでは尚更してはいけないし、ましてや当店はお子様連れやお食事のみの方々もいらっしゃる “カフェバー” です。またテーブルのお客様方からも同じチャージをいただく中、カウンターがテーブルより優遇されたりルーズでいい訳がないのはもちろん、テーブルでしてはいけないことはカウンターでも許されないのが基本です。


「一個人として自分一人で (または自分のお連れ様と) 来店したのに、同じく一個人として来た他のお客様の “自分の時間” を侵害してはいけない」という当然のこと。もしご自分が会話したいと思ったとしても、相手にはまるで関係ありません。

テーブルはもちろんカウンターに並んでいる椅子一つ一つも、それぞれ独立した個別の席です。他のお客様とは関わらないことが普通で、様々な要因が重なって会話が発生するかどうかはまた全然別の話。たまたま時を同じくしたというだけで友達ではありません。


一人の時間を楽しめないのであれば一人で来ること自体をお勧めしませんし、そのお一人様・お連れ様との時間をサポートしお守りするのがバーテンダーの仕事です。“初見のお客様との会話こそがバーの醍醐味” などというのは不粋でバブルかぶれな勘違い、個人的に付加価値とするのは結構ですがバーの本質とは別のものです。


バーとは本来、「一人で過ごすため」または「自分たちだけで過ごすため」の店です。

縁もゆかりもない初対面のお客様からの声かけや横入りにも、バーへお越しの方であれば嫌な顔をする方はまずいないでしょう。でも逃げ場のない店内ではとりあえず付き合ったり取り繕ったりやり過ごしていただけたとしても、そういう “無遠慮なお客様のいる店” への再来意欲は間違いなく減る可能性のほうが高く、ましてそれが店の第一印象ともなればバーテンダーのアフターフォローにも限界があります。


長くこの仕事に携わってきた者として、お客様同士が良い関係で繋がる場面も逆にトラブルも沢山見てきましたし、他人から声をかけられることに悩むお客様や、実にスマートに会話に拡げる術を持ったお客様にも沢山お会いしてきました。

その原因のすべては 『バーにはの暗黙のルールがある』 いう前提があるからこそであり、そのルールこそ当店が何よりも大切にしたいと思っているものです。


せっかく初めての店にご自分の意思で足を運び、扉を押していただくまでに至ったそのお客様の期待や行動力や勇気を、まだ見ぬたった一人のお客様に初めてご来店いただくまでに店主がかけてきた努力と時間と労力を、どうか慮っていただきたい。

そうしてやっとの思いで繋がれる見えない糸はお客様それぞれの数だけ存在し、たとえ同じお客様の立場であっても他人が軽々しく触れてよいものではありません。少なくとも店主が責任を持ってお客様同士をお繋ぎするまでは。



さて、つい長くなりました。笑

どれほどの方に読んでいただけるかわからないし、断固として取り締まるつもりも特に周知徹底するつもりもやたら目くじら立てて注意する訳でもありませんが、コロナも開け暖かくなって、今後新規のお客様が増えてくる前に自分の指針を確認する意味でも書いておこうと思いました💪


最後に誤解のないようお伝えしておきますが、私自身はお客様とお話することは大好きですし、余裕のない毎日の中での大切な気分転換ではあります。笑

でもそれはこの割に合わない長時間薄給不安定業における数少ない貴重な “オマケ” に過ぎず、だからといってそちらが先になるようでは1ミリも楽しくないしやり甲斐もない。

生業としては当然ですが 

・飲食店として全てのお客様に滞りないサービスをお届けすること

・お客様一人一人の寛ぎの時間を守ること  

そして何より 

社会通念上真っ当な店であること 

の方が絶対に大切です。


そして “ 物言わぬ純粋なご飲食客 ” に再来いただけることこそがこの仕事において至上。

そこのところご理解いただければ幸いです😌



お互いの一人の時間、お連れ様との時間を大切に。

無言の気遣いと思いやりの調和の中にこそ、バーにしかない寛ぎはあります。

それではまた!



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