今日は当店の家具をお願いする岐阜県大垣市の佐久間工業四角商店様のお話。

この会社に出会わなければ、店の名前は違ったかも知れません。

開業計画を手探りで始めた頃、物件探しと共にインターネットで店舗用家具を閲覧してみてわかったことは、自分が思い描く椅子がいかに少ないかということ。

どの椅子もどこかイメージが違う。回れる範囲の家具店やリサイクル店に足を運び、自分がお客様に座ってもらいたい椅子を模索していた頃･･･夜明け前のベッドで何度も検索したスマホのどこをどう入ったか、たまたま画面に現れたのが、とある鉄工所が作ったアイアンとパイン材のダイニングチェアでした。

写真と僅かなコメントだけでも伝わる、作り手の意思がこめられた作品。素朴さと優しさと強さと機能美が、決して押しつけるわけでもなく感じ取れる家具。

「これだ！」と閃くものを感じ、この工房を訪ねてみたい、他にどんな商品があるのかを知りたいと思いました。それがお隣の岐阜県であったのは、幸運としか言えません。

私の家名でもある “松=パイン” “木=ツリー” は極めてポピュラーな木材。特に高価でも貴重でもなく、ありふれて身近で、どこにでも使われる。でも温もりある風合いと、穏やかな素朴さを併せ持つ木材。

そんなパイン材のような、実質本位で真心の商売をしたい。派手さや華美さ・物珍しさを追いかけるのではなく、亡くなった母と療養中の父のような質素で慎ましくとも潔く誇り高い生涯を生きたい。その昔考えていた洒落た店名や気の利いた店名･･･そんな選択肢は吹き飛びました。笑

長くなりましたが、縁あって出会うことができた理想の家具と共に皆様をお迎えできることを心から嬉しく思います。時間とともに味わいが深まるこの椅子やテーブルを、是非可愛がってあげて下さい。

感謝をこめて。

SIKAKU

株式会社佐久間工業

岐阜県大垣市青柳町1-241

店名の由来